みなさま、こんにちは!
就労継続支援B型事業所
MOARU六条大溝です!
前回のコラムはこちらです!
今回のコラムは生活保護についてです。私たちが生活に困窮した場合に
頼れる救済制度として
生活保護制度があります。
具体的にどのような制度であるかは知らないという方も多いのではないでしょうか?
生活保護法の成り立ち
生活保護法の前進にあたる「旧生活保護法」は1946年、戦後の混乱期に制定されました。が、当初は多くの課題がありました。その一つに、勤労意欲のない者や素行不良の者などには保護を行わない、とされる欠格事項が設けられ、保護の対象が限られてしまうという重大な欠点がありました。
1950年に「新生活保護法」として改正され、日本国憲法第25条「生存権」に基づくものであることが明文化されました。日本国憲法第25条では、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文が明記されており、生活保護制度ではこの理念の達成が目的とされています。この法改正により従来の欠格事項を撤廃したうえで、無差別平等の保護が定められました。
旧法での5種類の保護は7種類に変更され、2000年の法改正で8種類に拡充されています。このように旧生活保護法が時代の流れに則した形で幾度も改正され、現行の新生活保護法が制定されるに至りました。
今後も生活保護制度は時代のニーズに即した制度の改善が求められると言えます。
生活保護の要件
生活保護の申請は国民の権利なので、制度の利用を必要とする人は誰でも申請することができますが一定の要件があります。
生活保護は世帯を単位に決定され、以下の要件を満たす必要があります。
資産の活用
預貯金や不要な土地・家屋を売却し生活費に充てることが必要。ただし、居住用の持ち家や事業に必要な資産は例外あり。
能力の活用
働くことが可能な人その能力に応じて働く必要がある。ただし、求職が困難な場合は例外あり。
あらゆるものの活用
年金や手当など他の制度で給付を受けられる場合、それらを先に活用することが必要。
扶養義務者の扶養
親族等からの援助が受けられるのならこれを優先する必要がある。
上記の前提を踏まえた上で、世帯収入が最低生活費を下回る場合に保護が適用されます。最低生活費の算出方法は以下の通りです。
【最低生活費=1類費+2類費+各種加算+その他の扶助費】
1類費:個人的な生活費(飲食費など)
2類費:世帯共通の費用(光熱水費など)
各種加算:障害、母子加算、介護保険料など
その他の扶助費:住宅費、教育費、医療費など
保護の種類と適用範囲
生活保護制度が適用されると、生活において必要とされる各種費用への扶助が支給されます。保護の種類には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があります。例えば生活扶助では衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものが支給されます。これらは各扶助の具体的な用途に応じて定められた範囲内で支給されます。
申請までの流れ
生活保護の申請には、まずお住まいの地域にある福祉事務所の生活保護担当窓口を訪れましょう。事前の相談などが行われた後に生活状況などを把握するための訪問調査などの必要な調査が行われます。
申請から決定までには通常2週間ほどかかります。生活保護の申請にあたって必要な書類は特にありませんが、収入や資産などの資料の提出が求められることがあります。生活保護制度では、どのような状況下においても、私たちが生活保護を必要とする際にはお近くの福祉事務所で相談を受けられる仕組みになっています。
生活困窮者自立支援制度
生活保護は最終的なセーフティーネットとしての役割があります。しかし、その前段階において、生活に困難を抱えている方が受けられる支援制度として生活困窮者自立支援制度が存在します。この制度は、第2のセーフティーネットの拡充を目的として2015年に施行されました。
支援内容は以下の通りです。
住宅確保給付金
生活に困難を抱え、住居を失うおそれの高い方、住居を失ってしまった方に一定期間の家賃相当額を支給
家計改善支援事業
就労に向けた基礎能力を養う
家計改善支援事業
家計管理のサポート
就労訓練事業
個別の就労支援や就労訓練などを提供。
生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援事業
子供に関わる学習や進学支援など
一時生活支援事業
宿泊場所や衣食の提供。
この制度は、生活保護を受けていない人が対象で、地域の相談窓口で支援を受けられます。詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
まとめ
いざという時に知っておくと役に立つ生活保護制度についてのコラムでした。生活保護の申請は国民の権利であり、生活保護を必要とする可能性は誰しもあります。生活に困難を抱えてしまった際には、早めに相談することが大切です。相談を受ける際には、まずはお住まいの福祉事務所や自治体などへ事前に問い合わせをしておくとスムーズになるでしょう。